中医学では、耳鳴りや突発性難聴は身体の全体的なバランスの乱れ【陰陽の不調和や気血の失調】によって引き起こされると考えられています。
ではなぜ耳鳴りや突発性難聴になるのでしょうか?
【原因】耳は腎との関係が深く、また肝や脾とも密接に関連しています。耳鳴りや突発性難聴は、これらの臓腑の機能低下や気血の循環の滞りが主な原因とされます。例えば、、、
腎虚(腎の機能低下)
・腎は「精を蔵す」と言われ、生命エネルギーの源です。腎精が不足すると、耳に十分な栄養が届かず耳鳴りや難聴を引き起こします。
・特徴: 慢性的な疲労、腰痛、めまい、老化に伴う症状。
肝火上炎(肝の熱が上昇する状態)
・肝は気血の流れを司りますが、ストレスや怒りが原因で肝の熱が過剰になり、耳に影響を及ぼします。
・特徴: 突発的な耳鳴り、頭痛、目の充血、イライラ感。
脾気虚(脾の機能低下)
・脾は気血を生み出し、全身に供給します。脾気が弱まると、気血の不足で耳への供給が滞ります。
・特徴: 食欲不振、倦怠感、顔色の悪さ。
瘀血(血の滞り)
・気血の流れが滞ると、耳の血行が悪化し症状が現れます。
風邪の侵襲(外邪)
・外部からの風寒や風熱が体内に侵入し、経絡に影響を与えることで突発性難聴を引き起こすことがあります。
これらが考えられる原因ですが、これは発症した本人により細かく変わっていきます。下記にも多い症例【弁証】を載せておきますので参考にしてください。
肝火上擾
耳鳴りまたは難聴が急に起こる。耳鳴りは持続性、難聴は軽くなったり重くなったりする。気持ちがふさいだり怒ったりすると症状は増悪する。不眠、めまい、顔赤い、怒りっぽい、便秘などといった症状を伴う。
【治療方法】清肝瀉火、宣通耳絡
肝胆火逆
耳鳴りまたは難聴が急に起こる。耳内に水みたいな音がする。症状は発作性。耳の中が張って痛みもある。頭痛、顔赤い、口にがい、怒りっぽい、不眠などいった症状を伴う。怒ると症状は悪化する。
【治療方法】肝胆の火を清降させる、清宣耳絡
痰火上壅
耳内に蝉の鳴き声、耳の中が詰まったようになり、音がはっきり聞こえなくなることがある。頭が重い、胸が詰まった感じがする、痰が多い、口が苦いなどといった症状を伴う。オシッコ、うんちの出がおかしいなど。
【治療方法】清降痰火、宣通耳絡
風熱上攻
急に耳鳴り、鼻閉、頭痛、全身のだるさがおこる。
【治療方法】去風清熱、清宣耳絡
腎精虧虚
耳内に持続性の蝉の鳴き声がする。耳鳴りの音はしだいに大きくなる。夜間にひどくなり、なんだか落ち着かなくなり不眠になる。頭暈、めまい、腰膝のだるさ、遺精といった症状を伴いやすい。
【治療方法】補腎益精、滋陰潜陽
脾虚気陥
耳鳴り、難聴、疲れると症状は増悪する。あるいは起立時にひどくなる。耳内に突然空虚感を感じたり、耳の中が涼しくなったように感じるときがある、倦怠感や無力感、食欲不振、時には下痢みたくなったりするときもあり。
【治療方法】益気健脾
これらが一部の症例【弁証】です。その他、上記の症状が混ざり合い複雑な症状の方も多くいらっしゃいます。
通院頻度
突発性難聴ですと週1~2回【できれば2回を推奨・症状が酷い方は3回】、耳鳴りの場合も週1~2回はお考え下さい。
治療回数
【突発性難聴初期】大体10回~15回前後【初期でも症状が酷い方ですともっとかかるかもしれません。】
【突発性難聴数か月~数年の方】大体10回~20回以上【聴力をどこまで上げたいかによる】
【耳鳴り】大体10回~15回前後または、耳鳴りの症状が長い方は10回~20回以上かかる方もいます。
その人の体調や症状によって変わりますので一度診察をしてみないとわかりません。
なにをしてもダメだった、辛くてどうしようもない人、どこに行っても効果がなかった方が通院しております。
一人ずつ丁寧に問診・治療をしていますので、まだ諦めていない方はご検討くださいませ。
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